最初に…
私の母は、すごく心配性だ。
世の中の母親は、我が子はもちろん可愛いし
何かあったら心配するものだと思う。
でも…
こちらが逆に、そんなんで大丈夫?と心配になるぐらい
周りの出来事に敏感で、ストレスを感じやすい。
そして、私の母は、ずっとずっと以前から
色々な試練を乗り越えてきた。
母が子供の頃から…
神様は本当にいるの?と思うぐらい
苦労してきたと思う。
でも…
初孫であるしゅんたろうは、本当に我が家の光だった。
父が亡くなっても、しゅんたろうがみんなに元気を与えた。
明るさを与えた。
どんな時でも、無邪気に笑うしゅんたろうは
母にとって、かけがえのない、無条件で愛せる大切な孫だった。
そんな母に、まさか、障害の事を言えるわけがない。
遠く離れて暮らす母…
春、お盆、お正月…
年に数回しか会わない母に、伝える必要もないと思った。
私は、一生母には言わない。
そう固く心に誓っていた。
でも…
しゅんたろうが小学校に入り、少しずつ問題がでてきた。
かんしゃくを起こすしゅんたろう。
母は、しつけにひどく厳しいわけでもないと思うが
やはり、その母から見ても、しゅんたろうは
わがままに見えるようでキツく叱ってしまう。
それはそうだ。
しゅんたろうの行動は、度が過ぎている事は多々あったし、
衝動や暴言が激しいと、
いくら孫でもしっかり教える。
叱る時は叱る。
そんな母だ。
情緒が不安定な時、身の回りの事を私が手伝う。
靴下を履かせたり、着替えさせたり…
母からすると、小学一年生にもなって、過保護だと感じる。
すると、「1年生にもなって…」
当然、こんな言葉が返ってくる。
少しの間の里帰りでも、細かいズレや問題が起こるようになった。
母を悲しませたくないから、隠し通そう…
そう思っていたはずだった…
でも、しゅんたろうの事を考えると、
伝えるべきだ…
そう考えるようになった。
ありのままのしゅんたろうを理解してもらわないと…
しゅんたろうの暴言もわがままも、かんしゃくも
しゅんたろうのせいではない。
持って生まれた特性なんだ。
それを知ったうえで、教えるべき事は教え
注意すべき事は注意してほしい。
障害を知ったら、注意の仕方はきっと変わる。
頭ごなしには叱らないだろう…
そして…
母に伝えた。
発達障害関係の署名運動の手伝いをしたり
親戚にも障害者がいる事もあって
多少の知識はあったので、話は早いのかなと思っていた。
でも…
自分の孫に障害があると言う事実は、全く別問題で
相当ショックを受けていた。
それでも、最後には本を読んで、勉強してみると言ってくれた…
カミングアウトその後…
母のしゅんたろうへの注意の仕方が変わった。
私のしゅんたろうへの接し方を
何も言わず、見守ってくれるようになった。
しゅんたろうへの愛情は、変わらずそそがれた。
でも…
孫が障害児で、その子を育てる自分の娘を
今まで以上に心配しているのは
何も言わなくても感じられた。
以前、母の姉と電話で話をした事があった。
母は、孫が発達障害だと言う事実もショックだけど
私の事が、可哀そうだ…と言ったそうだ。
たった一人の息子に障害がある。
遠く離れた県外で苦労している…
そう思っているようだった。
叔母は、
「そうじゃないよね。
しゅんたろうが小さい時から障害に気がつき、
必要な療育を受けさせ頑張っている娘をすごいと思わないといけない。
可哀そうじゃないんだ。でも、あなたのお母さんは
性格的に、考え込んでしまう」
そう言った。
そう…
だから、一生黙っておこうと思っていた。
母は、きっと必要以上に考え込む…
母の辛さを思うと
やっぱり、隠し通したほうが、良かったのかな…
今も、時々そんな気持ちになる事がある。
それでも、しゅんたろうが、身内に厳しく叱られた時
それは障害のせいなんだ(しゅんたろうも辛いんだ)。と、
しゅんたろうをかばってくれた時があった。
しゅんたろうの為には、話して良かったのかな?
理解者が、また1人、増えたから…
スポンサーサイト